映画『オデッセイ』の劇中で、火星に取り残された宇宙飛行士「マーク・ワトニー」が、じゃがいもを食べるときに何やら白い粉をつけて食べているシーンが出てきます。
ぼくは、砕いたバイコディンをじゃがいもにつけて食う
出典:映画『オデッセイ』マーク・ワトニーの発言
と発言しているので、その白い粉が「バイコディン」という名前なのはわかるのですが、それが何なのかは説明がありません。
気になったので、調べた内容をまとめてみました。
バイコディンとは?
一言でいうと、鎮痛薬です。
ヒドロコドンとアセトアミノフェンとの合剤で、アメリカで有名な鎮痛薬の一つとなっています。
依存性が強いため、アメリカではこれを常用した人の中毒症状などが社会問題となっているほど。
鎮痛薬なので、使うこと自体は違法でもなんでもないですが、注意が必要な薬というわけですね。
なぜじゃがいもにバイコディンをつけて食べたの?
宇宙飛行士「マーク・ワトニー」は、なぜ鎮痛薬なんかをじゃがいもにつけて食べたのか?についてです。
ケチャップは7日前に切らしちゃったもんでね
出典:映画『オデッセイ』マーク・ワトニーの発言
と発言していることから、調味料がないのはわかるのですが、
よりによって、なぜ鎮痛薬をじゃがいもにつけて食べたの?
という疑問が残りますよね。
劇中には残念ながら詳しい説明がありませんが、考察としては
- 残り少ない食糧にやけくそになったから
ではないでしょうか。
残り少ない食糧にやけくそになったから
ワトニーがやけくそになった経緯からご説明しますね。
映画『オデッセイ』の劇中で、ワトニーはNASAと連絡が取れるようになり、補給機を待つことになります。
そんな時に不運にも、育てていたじゃがいも畑が、ミスから全滅してしまうことに。
それまでに収穫していたじゃがいもで食いつなぐのですが、残り少ない。
NASAからは、わずかな量をさらに数日に分けて食べるようにとの指示がきます。
そんな状況ですから、もうやけくそになってしまい、バイコディンをじゃがいもにつけて食べたのではないでしょうか。
バイコディンは依存性が強い鎮痛薬なのでもちろんNGな行動ですが、ワトニーの
止められるやつは誰もいないし
出典:映画『オデッセイ』マーク・ワトニーの発言
という発言からわかるように、NGだとわかった上での行動です。
このクソッタレな状況と、NASAへの当て付けだったのかもしれませんね。
ケチャップを切らしてしまった理由
主な理由は、次の2つではないでしょうか。
- 毎回の食事にケチャップを使いすぎてしまっていたから
- じゃがいもが主食なので、使わないと飽きてしまうから
ワトニーの食事シーンでは、ケチャップをカップにブチューっと絞り出すカットがあります。
出し過ぎじゃないかというほどに使っているので、これを毎食していたのだとしたら、ケチャップを切らしてしまうのも納得です。
しかし、ワトニーの状況を考えると仕方ないかも、という思いも湧いてきます。
本来は宇宙飛行士6人が長期に生活するはずだった居住ポッドなので、ケチャップも相当な量があったはずですが、
1人取り残されてからのワトニーの食事は、じゃがいもがメインです。
調味料を何もつけずにじゃがいもだけを食べるのでは、すぐに飽きてしまいますからね。
バイコディンはどんな味がする?
ワトニーがじゃがいもに鎮痛薬のバイコディンをつけるシーンで、
バイコディンは塩味でもするのか?
と疑問に思った人も多いはず。ぼくもその一人です。
そこで、バイコディンの味について調べてみました。
少なくともじゃがいもに合う味ではない
結論としては、バイコディンの味は少なくともじゃがいもに合う味ではない、です。
その理由は、
バイコディンの材料となるアセトアミノフェンが苦いから
鎮痛薬バイコディンは、ヒドロコドンとアセトアミノフェンとの合剤です。
そのうち、アセトアミノフェンには苦味があります。
日本でも使われる、アセトアミノフェンが主成分の「鎮痛薬カロナール」を飲んだことがある人はわかると思いますが、かなり苦いです。
そんな風に苦味があるアセトアミノフェンが入っている「バイコディン」ですから、その味は少なくともじゃがいもに合う味ではないはず。
つまり宇宙飛行士「マーク・ワトニー」が、じゃがいもに鎮痛薬のバイコディンをつけて食べたのは、上述したように
- 残り少ない食糧にやけくそになったから
という線が濃厚ですね。
美味しいのかな?と思って、実際にじゃがいもに鎮痛薬をつけて食べるのは止めましょう。
以上、映画『オデッセイ』のバイコディンとは?味・じゃがいもにつけた理由を考察でした。